世界最速ブラウザ Thorium M138アップデート M130からの進化と2026年最新ロードマップ
沈黙を破り、M138へと到達したThorium
前回のM130アップデートから数ヶ月。爆速ブラウザ「Thorium」が、ついにChromium 138ベースへと大型アップデートを果たしました。
今回の更新は、単なるバージョンアップに留まりません。GoogleがChromeで進める制限を回避しつつ、ハードウェアの限界を叩き出すための最適化の集大成となっています。
技術的背景:なぜThorium M138は「速い」のか
Thoriumが本家Chromeを圧倒し続ける理由は、そのビルドにあります。
- 最新コンパイラ(Clang 20)の採用
最新のビルドツールを用いることで、現代のCPUが持つ演算能力をより効率的に引き出します。 - AVX2命令セットへの特化
一般的なブラウザが「古いPCでも動くこと」を優先するのに対し、Thoriumは現代的なCPUの拡張命令をフル活用します。 - LTS(長期サポート)ベースへのシフト
開発リソースを安定版に集中させることで、速度向上パッチの精度がこれまで以上に高まっています。
【比較検証】パフォーマンスアドバンテージの傾向
ブラウザベンチマーク Speedometer 3.0 を用いた、本家ChromeとThorium各世代のパフォーマンス傾向を整理しました。
| バージョン | Chromeを100として | 特徴 |
|---|---|---|
| M124 | 約108% 〜 110% | Thoriumの高速性が認知された安定期 |
| M130 | 約112% 〜 115% | PGO(プロファイル最適化)の恩恵が顕著に |
| M138 | 約118% 〜 122% | エンジン刷新により過去最大のリードを維持 |
傾向の分析
数値はCPUの世代などパソコン環境によりますが、M138ではJavaScriptの実行速度が一段と向上。特に、大量のタブを開いた際や、GoogleスプレッドシートやSNS管理ツールなど複雑なWebアプリのレスポンスでChromeとの体感差がより明確になっています。
M138で設定すべき chrome://flags
M138の性能をフルに発揮させるための、最新おすすめ設定です。
➀ URL欄に入力して設定画面を開いて
chrome://flags
➁ 以下の項目を検索して見つけてください。
・Thorium独自の最適化を一括で有効化するフラグです。まずはこれを「Enabled」に。
#thorium-2024
・描画処理をGPUに強制委託し、CPUの負担を軽減します。
#gpu-rasterization
・CPUのコア数に合わせて「4」程度に設定。画像描画の並列処理が進みます。
#num-raster-threads
・注意:以前のバージョンで有効だった #zero-copy-rasterizer は現在、ハードウェア対応に応じて自動制御されるよう仕様変更されてるようです。
Windows版Thorium どのモデルを選ぶ?
ダウンロードページ(GitHub)で迷わないための参考に。
- AVX2版 [推奨]
2013年以降のIntel CPU(Haswell以降)やAMD Ryzenなら迷わずこれを選んでください。最も速いです。 - System版
Windowsにインストールして常用したい方向けのインストーラー形式。 - Portable版
User Dataを本体と同じフォルダに保持します。環境を汚したくない、あるいはUSBメモリで持ち歩きたいプロフェッショナル向けです。

速さを維持するためのメンテナンス
Thoriumの爆速を維持するために以下のケアが効果的です。
- 定期的なキャッシュ削除
速度が自慢のブラウザでも、肥大化したキャッシュは足を引っ張ります。 - WinUpdaterの活用
開発者が提供するアップデートツールを使い、常に最新のセキュリティパッチと最適化を行いましょう。 - 拡張機能の整理
Manifest V2が継続サポートされてますが、不要な拡張機能はリソースを食います。厳選したツールだけを載せ、身軽な状態を保つのがコツです。
2026年最新ロードマップ
開発者のAlex氏は、自身の仕事環境の変化に伴い、2026年からThoriumの開発体制をLTS(長期サポート)ベースへとシフトすることを発表しました。
Chromium LTS(長期サポート版)への移行戦略
これまでは本家Chromiumの更新(約4週ごと)を追いかけていましたが、今後はGoogleが提供するLTS版(約6ヶ月周期のメジャー更新)をベースにする方針です。
- 目的
毎月のリベース作業(新しいバージョンへの適合)に費やしていた時間を、Thorium独自のパフォーマンス最適化やバグ修正、セキュリティ対策に充てるため。 - メリット
ブラウザとしての安定性が劇的に向上し、ユーザーは頻繁な更新に悩まされることなく爆速の状態を長期間維持できるようになります。
M144への展望
M138の次の大きな目標は、次回のLTSベースとなるM144への移行です。
- 予定時期
2026年 春〜初夏頃(M138リリースから約2〜3ヶ月後) - 主な計画内容
- Manifest V2の恒久的サポート
本家Chromeが完全にV3へ移行した後も、既存の広告ブロック機能等を維持するためのパッチを継続。 - Thorium-Specialリポジトリの統合
AVX2やAVX-512など、各CPUアーキテクチャに最適化されたビルドをよりシームレスに提供するためのビルドシステムの刷新。
- Manifest V2の恒久的サポート
開発継続宣言
開発者のAlexはM138のリリースにあたって「再び定期的な開発体制に戻ったこと」を明言しました。
今後はM138を起点に、2ヶ月後のM144(次期LTS)を見据えた長期的なサポート体制へと移行する計画です。
一時期の不安定な更新頻度から脱却し、2026年は安定したパフォーマンス向上が期待できる年になりそうです。
GitHub Release Notes
M138 is the current one, M144 is going to be the new LTS in 2 months. This will let me focus on features, bug fixes, and keeping Thorium secure…
GitHub – Alex313031/Thorium-Win Releases
Thorium M138は爆速と安定が共存
M124から追い続けてきましたが、今回のM138で一つの大きな到達点を迎えました。
かつてのThoriumは速いが不安定という面がありました。しかし、2026年からのLTS(長期サポート。頻繁な更新よりも安定性を重視し、1つのバージョンを長くサポートする体制のこと)ベースへの移行という新戦略により、そのメインブラウザとしての実用性が一段と増しました。
Chromeが失いつつあるManifest V2の自由を守りながら、ハードウェアの限界を叩き出す爆速を安定して享受できるようになってきました。
今回のアップデートの要点
- 圧倒的なアドバンテージ
最新コンパイラ(Clang 20)とAVX2最適化により、本家比で約18〜22%の性能向上を維持。 - ベストな選択
自分のPC環境に合わせたAVX2版を選び、#thorium-2024フラグを有効にするのが現在の正解。 - メンテナンスの自動化
WinUpdater (ltguillaume版)を活用し、手動更新の手間を最小限に抑える。
次の大きな節目となるM144の登場まで、M138は私たちのブラウザ選択において、信頼でき、かつ大きな選択肢であると言えそうです。
Webでのリサーチ、大量のタブを開いてのデータ分析など、ブラウザの引っかかりというストレスから解放され、生産性は引き上げられます。
まだ本家Chromeに留まっている方は、ぜひこの機会にThorium M138の門を叩いてみてください。一度この速度を知ってしまうと、もう元の世界には戻れないかもしれませんよ。